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IRBハンドブック 4章と付録の公開、更新ページ

付-3

日・米・EU(ヨーロッパ連合)の三極によるICH(International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use:日米EU医薬品規制調和国際会議)で合意されたガイドラインを国内通知化したもののうち,IRB委員が知っていると役立つものをまとめた.臨床試験を実施する者が順守すべき技術指針であり,IRB委員が当該研究の専門ではない立場から研究を評価する場合に必ずしもすべてを習得している必要はないが,審査対象となることが多い研究類型に対応したガイドラインのポイントを知っておくと議論に役立つことがある.
ガイドライン原文はICHの公式サイトhttp://www.ich.org/からリンクしているが,日本版の通知・指針として出されたものは医薬品医療機器総合機構の以下のページにある:
http://www.pmda.go.jp/ich/ich_index.html
E:efficacy(有効性),Q:Quality(品質),S:Safety(安全性),M:Multidisciplinary(複合領域)の各トピックに分かれている.また,下記書籍にも,ICHガイドライン,付-4に示す国内ガイドラインが収載されている:
日本公定書協会編.新薬臨床評価ガイドライン.2006 薬事日報社.

【全般】

ICH医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)のガイドライン(ICH-GCP, ICH-E6)

◎付-2の「GCP省令」のもとになった,日米EUで合意したガイドライン.これを日本国内省令に導入する際にまとめた規範が「答申GCP」であり,答申GCPに基づき国内省令とされたのが省令GCPである.関連する省令・通知等につき付-2を参照.
◎参考:ICH-GCP(臨床評価1996, 24 Suppl X: 1-64.)
http://homepage3.nifty.com/cont/24sup10/p1-64ICH-GCP.pdf

臨床試験の一般指針(ICH-E8)

平成10(1998)年4月21日 厚生省医薬安全局審査管理課長通知 医薬審第380号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e8_98_4_21.pdf
◎臨床試験の第Ⅰ相から第Ⅲ相に至る各段階の試験の方法,そこから得られる情報等についての考え方を示している.
◎なお第Ⅰ相試験より前に実施される「マイクロドーズ臨床試験」に関する指針も通知されているので(付-4)併せて参照されたい.

治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて

平成8(1996)年5月1日 厚生省薬務局審査課長通知 薬審第335号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e3_96_5_1.pdf
◎承認申請のための結果報告書として必要な事項を示した指針.

【研究デザイン・統計】

臨床試験における対照群の選択とそれに関連する諸問題(ICH-E10)

平成13(2001)年2月27日 厚生労働省医薬局審査管理課長通知 医薬審発第136号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e10_01_2_27.pdf
◎比較対照試験を行う場合に,対照群に実薬,プラセボを選択する場合,上乗せ,置き換えなどの研究デザインとする場合,など,それぞれの科学的目的,統計学的検出力,得られる情報,倫理的検討事項などをまとめたもの.被験者保護の観点から特に留意すべき文書であるが,倫理的判断においては,ヘルシンキ宣言第31条(2008年版),p.193に示すCIOMS指針の指針11などと併せて判断分析の基本を知っておく必要がある.

臨床試験のための統計的原則(ICH-E9)

平成10(1998)年11月30日 厚生省医薬安全局審査管理課長通知 医薬審第1047号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e9_98_11_30.pdf
◎治験の目的に応じて,どのような研究デザイン,統計学的方法により,どのような結果が得られるか,その妥当性についての考え方をまとめたもの.試験の科学的正当性を評価する際に参考になる.

外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針(ICH-E5)

外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて
平成10(1998)年8月11日 厚生省医薬安全局長通知 医薬発第739号
外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき要因について
平成10(1998)年8月11日 厚生省医薬安全局審査課長通知 医薬審第672号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e5_98_8_11.pdf
◎外国で実施された臨床試験の結果に基づき,通常の第Ⅰ相から第Ⅲ相に至るプロセスを省略して,外国データと国内での限られた臨床試験のみで承認申請用の資料とすることを意図して行われる試験を「ブリッジング試験」という.この指針は,ブリッジング試験について,どのような既存データに基づき,どのような臨床試験が必要とされるか,についての考え方をまとめたもの.通知第739号には本指針以前の考え方からの変化及び薬事法規との関連が示され,第672号の別添として指針及びQ&Aが示されている.
外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針に関するQ&Aについて
平成16年2月25日 厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e5q&a_04_2_25.pdf
外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針に関するQ&Aについて(その2)
平成18年10月5日 厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e5q&a_04_2_25.pdf

新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針(ICH-E4)

平成6(1994)年7月25日 厚生省薬務局審査課長通知薬審第494号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e4_94_7_25.htm
◎医薬品の用量反応関係を知るために行われる臨床試験のデザインについてまとめたもの.

【特定集団】

小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンス(ICH-E11)

小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスについて
平成12(2000)年12月15日 厚生省医薬安全局審査課長通知医薬審第1334号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e11_00_12_15.pdf
◎小児を対象とする治験についての考え方をまとめたもの.動物・成人でどのようなデータが既に得られているときに,小児対象試験を開始してよいか,小児への説明と小児の理解,「アセント」の概念,同意書への署名のあり方,年齢層による違い,などについてまとめている.被験者保護の観点から特に留意すべき文書.
小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスに関する質疑応答集(Q&A)について(E11関連)
平成13(2001)年6月22日 厚生労働省医薬局審査管理課事務連絡
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e11q&a_01_6_22.pdf

高齢者に使用される医薬品の臨床評価法に関するガイドライン(ICH-E7)

平成5(1993)年12月2日 厚生省薬務局新医薬品課長通知 薬新薬第104号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e7_93_12_2.pdf
◎高齢者においては,老化に伴う生理機能の低下や,腎機能,肝機能,心機能の変化,多剤併用による薬物相互作用などの問題から,ある種の薬剤については,承認の前または後に,高齢者を対象としたPK/PD(薬物動態・薬力学)試験および/または薬物相互作用試験が必要とされる場合がある.本指針はこれらの試験の意義についてまとめたものだが,実施にあたっては高齢である被験者の安全性が確保されるよう,十分な利益と危険性のバランスの評価,安全管理体制が求められる.

降圧薬の臨床評価に関する原則(ICH-E12)

平成14年1月28日 厚生労働省医薬局審査管理課長通知 医薬審発第0128001号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e12a_02_1_28.pdf
◎降圧剤の治験を実施するにあたっての試験デザイン,評価方法などについてまとめたもの.

ゲノム薬理学における用語集(ICH-E15)

平成20年1月9日 厚生労働省医薬局審査管理課長・安全対策課長通知 医薬審発第0109013号・薬食安発第0109002号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e15_08_01_09.pdf
◎ゲノム薬理学の方法を治験で使う際の用語・概念の国際調和をはかるための文書.以下のバイオマーカーの記載要領等のガイダンスは本書刊行時では案の段階にあるが併せて参照すべきものである.
薬物応答と関連するゲノムバイオマーカー:適格性確認のための資料における使用方法の記載要領,資料の構成及び様式(案)
http://www.pmda.go.jp/ich/e/step3_e16_09_07_31.pdf

The clinical evaluation of QT/QTc interval prolongation and proarrhythmic potential for non-antiarrhythmic drugs(ICH-E14)

◎心血管系でない薬剤が致死的な不整脈を起こすリスクを推定するため,開発中の医薬品と,既にリスクのあることが知られている医薬品を人体に投与し比較する試験についてのガイドライン.
2005年にICHで合意されたが,リスクのある薬剤を投与することへの懸念もあって国内通知化が遅れているが,2009年中に通知化の見込みもある.日本企業の国外での実施結果が申請データとして認められている現状がある.

【安全性(臨床)】

致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間について(ICH-E1)

平成7年(1995)5月24日 厚生省薬務局審査課長通知 薬審第592号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e1_95_5_24.pdf
◎致命的でない疾患の治療のために長期間の投与が想定される新医薬品の安全性評価の基本原則を提示するもの.「長期投与ガイドライン」と呼ばれる.

治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて(ICH-E2A)

平成7(1995)年3月20日 厚生省薬務局審査課長薬審第227号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2a_95_3_20.pdf
◎治験において,当該治験の対象者に発生した有害事象・副作用についての,言葉の定義,重要性の段階,報告義務,報告期限などについての考え方をまとめたもの.その大部分は省令GCPおよび運用GCPに反映されているが,より深く学ぶために参考になる.なお,治験中の安全性情報を集積した形で伝達する方法について,現在ICH-E2Fとして検討されている.

臨床安全性データの取扱い市販医薬品に関する定期的安全性最新報告(PSUR)(ICH-E2C)

平成9(1997)年3月27日 厚生省薬務局安全課長薬安第32号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2c_97_3_27.htm
◎市販後の安全性情報についての定期的な当局への報告(定期的安全性最新報告:Periodic Safety Update Reports,PSUR)についてまとめたもの.
IRB審査と直接関係しないが,国内で既承認の医薬品の効能追加の治験の場合に,企業内でこのような情報の整理が行われていることを踏まえることが重要である場合もある.
ICH E2Cに対する補遺臨床安全性データの取扱い:市販医薬品に関する定期的安全性最新報告について
平成15(2003)年4月25日 厚生労働省医薬局審査管理課長・安全対策課長通知 医薬審発第0425001号・医薬安発第0425001号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2c_03_04_25.pdf

承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準(ICH-E2D)

平成17(2005)年3月28日 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知 薬食安発第0328007号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2d_05_3_28.pdf
◎市販後の安全性情報について,有害事象・副作用の言葉の定義,重要性の段階,予測可能性,報告すべき内容,報告義務,報告期限,発信者による取扱いの違い,などについての考え方をまとめたもの.IRBで国内外で既に承認されている医薬品について安全性情報として報告される個別の自発症例報告の取扱いを考える際に参考になる.
「承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準」(ICH-E2Dガイドライン)に関するQ&Aについて
平成17(2005)年3月28日 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2dq&a_05_3_28.pdf

医薬品安全性監視の計画(ICH-E2E)

平成17(2005)年9月16日 厚生労働省医薬食品局審査管理課長・安全対策課長通知薬食審査発第0916001号・薬食安発第0916001号
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e2e_05_9_16.pdf
◎承認申請時に,治験において情報の得られた重要な特定のリスクまたは潜在的リスク,治験中に情報の得られなかった不足情報などについて,「安全性検討事項」として特定し,「市販後安全性監視計画」として明確化すべきことを示したもの.

開発時定期的安全性最新報告(DUSR)(ICH-E2F)

http://www.pmda.go.jp/ich/e/Step3_e2f_08_09_12.pdf
◎治験中の安全性情報についての集積した形による当局への報告(開発時定期的安全性最新報告:Development Safety Update Report,DSUR)についてまとめたもの.ICH-E2A,E2Cの補完的な位置づけになる.(本書作成時にはドラフト段階)

【安全性(非臨床)】

医薬品の臨床試験のための非臨床安全性試験の実施時期についてのガイドライン(ICH-M3)

平成10(1998)年11月13日 厚生省医薬安全局審査管理課長通知 医薬審第1019号
http://www.pmda.go.jp/ich/m/m3_98_11_13.pdf
◎治験の第Ⅰ相から第Ⅲ相および承認申請時の各段階までに終了していなければならない非臨床試験の項目,方法についてまとめたもの.
医薬品の臨床試験のための非臨床安全性試験の実施時期についてのガイドラインの改正について
平成12(2000)年12月27日 厚生省医薬安全局審査管理課長通知 医薬審第1831号
http://www.pmda.go.jp/ich/m/m3m_00_12_27.pdf
◎上URLは上記ガイドラインの一部改正.
その後さらに改正,ICHで最終合意,まもなく国内通知化の予定.
ICH harmonized tripartite guideline:Guidance on nonclinical safety studies for the conduct of human clinical trials and marketing authorization for pharmaceuticals M3(R2). Current Step 4 version, dated 11 June 2009.
http://www.ich.org/LOB/media/MEDIA5544.pdf